みなさんは、藻類と聞いて
どういう生き物を想像されますか?
昆布やのりを想像される方が多いとおもいます。
藻類は主に、太陽光と大気中のCO2から光合成という機能を使って育つ生き物です。
この藻類の中には目に見えない小さな藻類がいます。植物プランクトンと言えばどこかで聞いたことがあるかと思います。この微生物は、目に見える昆布などの藻類(大型藻類)と区別して、微細藻類と呼ばれています。
地球環境や生態系の維持に貢献してきた微細藻類
地球が誕生した46億年前、大気中に酸素は存在しませんでした。
およそ30億年前に、初めて光合成によって酸素を排出する生物である藍藻【らんそう】が現れ、その後、何億年もの時間をかけて、現在の地球環境が創られました。
微細藻類は、かつての地球環境を大きく変化させたり(酸素を作る)、食物連鎖を支える重要な微生物であったり、地球環境や生態系の維持にとって非常に重要な役割をになっています。
実は、微細藻類は非常に身近な微生物です。目に見えない小さな存在なのですが、海や川、公園、壁、ガードレールなど至る所で生きています。
地球環境維持や食物連鎖などへ大きな役割を担っている微細藻類ですが、我々にとって非常に有益な機能を持つ者もいます。太陽光とCO2から光合成によりいろいろな有用物質を生み出すことできる微細藻類は、カーボンリサイクル技術として地球の環境負荷を下げる“ものつくりや製品”により、循環型社会(サーキュラーエコノミー)に貢献できることが期待され、世界中で注目されている生き物です。
微細藻類は、世界に多数の種類が存在し、多岐にわたる分野で活用が期待され、多くの企業や大学で研究が進められています。
活躍が期待される分野
微細藻類の生産する物質の中には、他にも未知のものや未利用のものが多く存在し、様々な分野での多様な用途が考えられます。
微細藻類は、太陽光と水、二酸化炭素、栄養塩さえあれば、連続的に増殖することができます。
さらに、その増殖速度も陸上植物を圧倒している点で今後の研究が進むことが期待されます。
J-POWERはバイオ技術に関する調査の中で、有望な海洋性微細藻類を発見し、ソラリス、ルナリスと呼んでいます。これらを用いたSAF(Sustainable Aviation Fuel:持続可能な航空燃料)や高付加価値製品の実用化を目指し、様々な研究を進めています。
ソラリス、ルナリスの特長について
J-POWER 研究員の西村さんに聞いてみましょう。