20世紀最大の環境破壊 アラル海の悲劇
2024年7月19日 環境問題のこと
カザフスタンとウズベキスタンに
またがるように位置し
かつては世界で四番目に大きい湖だった
「アラル海」は
「20世紀最大の環境破壊」として語り継がれる
悲劇の舞台として知られています。
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その悲劇の発端は
スターリン政権下のソビエト連邦時代
農業生産性を上げるための
大規模な開発計画が進められたことでした。
その一環として政府は
アラル海に注ぐ2つの川の水を
綿花栽培のための灌漑用水とする
運河建設計画を行いました。
冷戦下だった当時
西側諸国から綿花を輸入できないソ連は
自国で綿花を自給する必要があったのです。
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しかし綿花は栽培時に
大量の水を必要とする植物です。
それによって
アラル海の水は約60年の歳月をかけて干上がり
当初の1/5の大きさにまで縮小してしまいました。
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この悲劇は、環境保護よりも
経済利益を優先したがために
引き起こされたともいえます。
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魚のいない湖には当然漁師たちの姿はなくなり
役目を失くした船が砂漠と化したその地に
置き去りにされています。
これが、アラル海が「船の墓場」といわれる所以です。
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この悲劇によって世界有数の漁業地域が失われ
そこに息づいていた生物多様性も失われ
周辺地域の数万人にも及ぶ人々が故郷を追われ
地域の気候まで変わってしまいました。そしてこの悲劇によって故郷を追われた人々は
カザフスタンとウズベキスタン合わせて
数万人規模ともいわれています…。