Column

5年連続受賞の「化石賞」は問題でしかない

2025年1月14日 環境問題のこと

昨年11月にアゼルバイジャンで開催された

国連の気候変動対策会議(COP29)では

Climate Action Network(CAN)による

恒例の化石賞選定が行われ

日本は2つの化石賞を受賞しました。

化石賞とは

気候変動対策に消極的な

国や地域に贈られる不名誉な賞で

日本は過去4年連続で受賞しています。

そして残念なことに今回も

その記録を更新してしまう結果となりました。

COP29での受賞は

「G7の一員」として

また「途上国への資金支援を

義務付けられている

先進国(24カ国・地域)の

一員」としての2回で

先進国から途上国に対して

拠出する資金の提案額を

一切提示せずに会議に臨んだ態度や

自分たちの責任を顧みず

途上国への資金提供を

逃れようとしている姿勢を

批判される形となりました。

今回のCOP29では

最大の争点となっていた

途上国の気候変動対策への資金支援について

先進国が2035年までに

年間3,000億ドル(約46兆円)

を拠出することで合意しました。

この額は現在の拠出額の3倍にのぼりますが

決して途上国が直面している課題の深刻さに

対処できる充分な額とはいえません。

奇しくもCOP29開催中には

フィリピンで大規豪雨災害が発生し

171名の方が命を落としました。

先進国は、過去の気候変動を加速させてきた

責任を果たさなければなりません。

今回の化石賞受賞を通して

あらためてそのことを一人ひとりが考えていくことが大切です。