Column

中国の食べ残し禁止法が存在するって知ってた?

2025年10月1日 私たちにできること

中国には食事に誘った人が代金を支払うおごり文化など

食事に関する独特のマナーがあります。

もてなす人は食べきれない量を出し

もてなされる人はあえて食べ残す

というおもてなし文化もその一つです。

このように中国では

食事の際に料理を少し残すことで

「おもてなしに満足しました」という

気持ちを表す文化があり

完食してしまうと「量が足りなかった」と

誤解されてしまうことがあります。

子どもの頃に「残さず食べなさい」といわれて

育った日本人には違和感があると思いますが

中国人にとっては残さず食べることの方が

マナー違反と感じてしまうことがあるんですね。

そんな中国で、食品ロス対策として

2021年に制定された法律が「食べ残し禁止法」です。

そこには

食べ残しの多い客には店側が処分費用を請求でき

過剰注文を促した店には

最大1万元(約16万円)以下の罰金が課せられるなど

食べ残しを減らすための罰則が定められています。

また、大食い動画を配信したTV局や動画配信業者にも

最大10万元(約160万円)の罰則が課せられることになっています。

この政策は従来の食文化との摩擦や

運用の難しさなどの課題はあるものの

食品ロス削減に一定の効果をあげているようです。

 

日本の食品ロスは、令和5年時点で年間464万トン。

この数字は、飢餓に苦しむ国への

食糧援助量を上回る量といわれています。

 

人口増加や気候変動による

地球規模の食料問題が深刻化する中

これまでの伝統や文化にとらわれることなく

変革しようとする中国の姿勢に

学ぶところは多いのではないでしょうか。