Column

「立ち枯れ」の問題について

2025年10月10日 環境問題のこと

世界各地の山林で、樹木が立ちながら枯れる
「立ち枯れ」が起きています。

日本も例外ではなく
山登りをしていると
ナラの木の立ち枯れをよく見かけます。

林野庁によると
ナラの木が立ちながら枯死するナラ枯れ被害は
2010年をピークに一旦は減少したものの
2020年に再び急増したそうです。
その後も減少傾向にはあるものの
比較的高い被害水準を保って推移しています。

立ち枯れは病原菌の侵入によって
木に水分や養分を運ぶ通り道が
塞がれてしまうことが直接の原因ですが
温暖化によって病原菌を運んでくる虫の
生息域が拡大したことや
豪雨や猛暑などの異常気象によって木が弱り
病原菌に対する抵抗力が低下してしまうなどの
環境要因が被害拡大につながっています。

また、エネルギー革命によって化石燃料の利用が増え
薪炭林として利用されなくなった里山林では
カシノナガキクイムシのような
病原菌を運んでくる虫が繁殖しやすい大径木が増加しており
そのことも立ち枯れ被害拡大の一因となっています。

樹木の立ち枯れを増加させる原因となる地球温暖化を
これ以上前に進めないためにも
一人ひとりが持続可能な生活を心がけることが大切です。

また、これから山登りのハイシーズンを迎えますが
立ち枯れの木を見かけたら
倒木などの可能性があるため
絶対に近づかないようにしましょう。