Column

アニマルウェルフェア えびさんについて

2025年10月22日 私たちにできること

エビの繁殖は環境要因に左右されます。

養殖場の環境は過密飼育で

エビが自然に繁殖したいと思える環境ではありません。

そのため、多くの養殖場では

雌エビの目を焼き切る「眼柄切除」が行われています。

というのも、甲殻類の目の中には

卵成熟を抑制する因子が分泌されるため

切除することで雌エビの成熟過程が促され

産卵しやすくなるとされているためです。

 

しかし、1990年代から続いたこの悪しき慣習は

今、世界的に廃止の方向に向かっています。

 

具体的には

持続可能な養殖業を認証する制度ASC認証において

エビの眼柄切除を制限する要件を含む

新たな養殖場基準が設けられました。

 

この基準には

バナメイエビの場合で、眼柄切除を行う個体を

2025年5月から25%減

2027年5月から50%減

2029年5月から100%減

というように

段階的に廃止していくことが定められています。

 

また、すでにタイ・ベトナム・ブラジル・

中国・イギリスなどの養殖企業は

眼柄切除を廃止しています。

 

日本でも眼柄切除に対する意識は高まっており

消費者団体や動物福祉団体などが声をあげているほか

神奈川大学では眼柄切除を伴わない

エビの養殖の研究が進められるなど

動物福祉を前提とした養殖を推進する動きも出てきています。

 

この流れを後押しするためにも

日本でも、エビの眼柄切除が廃止されるよう

養殖場や水産業者、スーパーや飲食店など

エビを扱う企業に意見を届けていきましょう。