ポストハーベストロスとは
2025年11月6日 環境問題のこと

日本や世界では、まだ食べられるのに
捨てられてしまう食料があります。
こうした食品ロスは
農業や輸送、廃棄処理に伴う温室効果ガス排出の原因となり
世界全体の温室効果ガス排出量の
約8~10%を占めるとされており
気候変動の大きな要因のひとつになっています。
特に、収穫された農作物が消費者に届くまでの間に
腐敗や虫食い、品質の劣化などによって失われる食料を
「ポストハーベスト(収穫後)ロス」と呼びます。
FAO(国際連合食糧農業機関)の報告によると
農場で収穫された作物のうち
小売に入る前の段階で廃棄される割合は
世界全体で約13%にのぼります。
また、家庭や小売店での食品ロスは約19%とされており
合わせると世界の食品の約3分の1が
最終的に消費されずに廃棄されていることになります。
ちなみに、日本におけるポストハーベストロスは
規格外の農作物や需要と供給のズレによって
出荷されずに畑で廃棄されることに
起因するものが多いですが
アフリカや東南アジア、ラテンアメリカなどの
途上国では、輸送や保管のインフラ不足
技術不足によるロスが多く発生しています。
このようなポストハーベストロスを減らすためには
収穫後の流通、保管、加工の各過程での改善が必要です。
各サプライチェーンでは
収穫時期の最適化や鮮度を保つ包装技術の開発
衝撃に強く通気性のよい梱包材の採用
物流の効率化など、食品ロスを
最小化する取り組みが日々行われています。