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カーボンプライシングとは・・・炭素に価値をつける

2023年10月10日 私たちにできること

環境省が発表した2020年の統計によると、世界のCO2排出量は1位が中国(31.8%)、2位がアメリカ(13.4%)、3位がEU27カ国(7.6%)、日本は6位の3.1%でした。

地球温暖化を防止するために「脱炭素」は重要なキーワードですが、「カーボン・プライシング」は脱炭素に向かう流れの中で今世界各国が取り組んでいる、「炭素に価値をつける」制度です。

その代表的な手法として「炭素税」「排出量取引制度」「クレジット取引制度」などがあります。

【炭素税とは?】

燃料や電気を使用して排出したCO2に対して課税する制度。

日本は2012年から段階的に導入しています。

【排出量取引制度とは?】

C02排出目標に応じた排出枠を企業ごとに決め、それを上回ってしまった企業が下回った企業から枠を購入する制度。企業は自力で排出枠内に収まるようCO2削減を行うか、排出枠を購入するかという選択をすることができます。

【クレジット取引とは?】

 CO2の削減を「価値」として証書化し、売買取引をおこなう制度です。

再生可能エネルギーや原子力など化石燃料でないエネルギーがもつ価値を売買する「非化石価値取引」や、先進的な対策によって実現した削減量をクレジットとして売買する「Jクレジット」、途上国と協力して達成した削減量を二国間で分け合う「二国間クレジット制度」などがあります。

排出した炭素量を見える化し、市場の価値に変換して取引するカーボンプライシングは、CO2を排出する側の行動を変容するためにも重要な政策の一つ。

東京証券取引所は、2022年度の実証事業の結果を踏まえつつ、取引所としての日本のカーボン・プライシングへの貢献の観点から、2023年10月11日に正式にカーボン・クレジット市場を開設します。

今回は、主に企業活動における脱炭素についてのお話でしたが、排出したCO2量を意識的にニュートラルにしていくという考え方は、個人レベルでもこれからの時代に必要な感覚なのかもしれません。