Column

アグボグブロシーって何だろう?

2025年9月17日 私たちにできること

私たちの身の回りには
エアコンやスマホ、パソコンなどの
電子機器が溢れています。

これらの電子機器は
定期的に買い替えられ、廃棄されていますが
適切に廃棄されなかった一部の電子機器が
途上国に輸出され、現地の環境や
人々の健康・人権を脅かしています。

ガーナの首都アクラからほど近いアグボグブロシーは
かつてマングローブ林が生い茂る
青々とした湿地帯でしたが
現在は、先進国から不要な電子機器のゴミが集まる
世界最大の電子機器廃棄地帯として知られています。

東京ドーム32個分に相当する広大な土地には
毎年15万トンものゴミが送られてくるそうです。

電子機器のような有害廃棄物の途上国への輸出は
1989年にスイスのバーゼルで採択された
「バーゼル条約」によって規制されていますが
リサイクル目的であれば輸出できるなど
条約の抜け穴を利用した
途上国への輸出がまかり通っているのが現状です。

しかし、技術の乏しい途上国で
電子機器が適切にリサイクルされることはありません。

そして、現地の人々は、電子機器から微量の金属や
レアアースなどを取り出すことで生計を立てています。
その収入は、一日働いても数百円程度だといいます。

しかも、電子機器の燃焼や加熱による処理は
有毒ガスの発生につながり
周辺地域の大気、土壌、水を汚染し
人体にも影響を与えています。

その証拠に、この地域に住む人々は
20代〜30代で亡くなることが多いそうです。

そしてここでは、生きていくために子どもたちも働きます。

私たちが出したゴミが
途上国の環境や人々の健康を脅かしている現実を
先進国で暮らすどれだけの人が意識しているのでしょうか。

企業にはつくる責任が
消費者にはつかう責任があります。
不適切なリサイクルにNOをいい
一人一人がモノを永く大切に使うよう心がけることが
現状を変えていくための
第一歩なのではないでしょうか。