再エネ バイオマス発電とは
2023年12月8日 未来の資源とエネルギーのこと
動植物などから生まれた生物資源を直接燃やしたりガス化するなどして
発電させるバイオマス発電は風力や水力などの自然エネルギーと違い
天候に左右されず安定供給ができるというメリットがある反面
燃料を供給し続けなくてはならないという特性を持っています。
バイオマス発電の燃料となるものは
・木材(林地残材/製材廃材)
・農業残さ(麦藁/とうもろこし残さなど)
・家畜排泄物
・産業食用油
・その他(でんぷん/菜種/パーム油など)
などがありますが、燃料を生産・加工する過程で
石炭火力以上に温室効果ガスを排出しているケースが過去に指摘されてきました。
特に、アブラヤシからとれるパーム油や本来は地域の間伐材や未利用材を
うまく活用することを想定していた木質ペレットなどの木材燃料は
大規模なバイオマス事業になればなるほど海外からの輸入に頼っているという現状があります。
もともと大量生産・大量消費による熱帯雨林破壊や野生動物への影響などが
指摘されているパーム油のさらなる需要拡大につながるだけでなく
木質ペレット生産用の木材のために天然林の伐採が行われるなどバイオマス事業は
ともすれば森林破壊につながってしまう問題もはらんでいます。
バイオマス発電は間伐材や未利用材、
家畜のふんなどの有機廃棄物を再利用するのであれば
持続可能なエネルギーといえますが、
パーム油や輸入木材に頼っている以上はサステイナブルとはいえません。
バイオマス=エコと簡単に結びつけるのではなく
消費者である私たちが、その裏側にあるプロセスにも
目を向けていく必要があります。