Column

終末の氷河「スウェイツ氷河」とは

2023年9月20日 環境問題のこと

南極大陸にあるスウェイツ氷河は、もし崩壊すれば世界の海面上昇に大きな影響を与えるとされていることから「終末の氷河」とも呼ばれています。

2019年にスウェイツ氷河の下に140万tの体積に相当する巨大な穴が空いていることが判明しました。この穴は3年という短い間に急速にできたことが推察されており、氷の溶けるスピードの驚異的な速さがうかがえます。

またスウェイツ氷河の西側部分は1992年以降毎年600〜800mずつ陸から後退、東側部分には複数の細い水路を通って氷河の縁が溶け出していることも研究チームの報告からわかっています。

2002年に南極のラーセン棚氷が崩落したことは、大きな衝撃をもって報じられましたが、もしスウェイツ氷河がすべて崩壊した場合、地球全体の海面が平均して約60cmもの上昇が予測されています。すでに温暖化による海面上昇によって沿岸部に住む人々が生活拠点を奪われる被害に遭っています。

アラスカ州のニュートックでは、永久凍土の融解、川の侵食、インフラの崩壊への対処のため、そこに住むユピック族の人々が移住を余儀なくされ、アメリカ初の気候難民となりました。このことはパタゴニア製作のドキュメンタリー映画「NEWTOK」に詳しく描かれています。

世界銀行のデータによると、気候変動等による海面上昇の影響で2050年までに2億1,600万人が移住を余儀なくされる可能性があると試算されており、気候変動を取り巻く現状はもはや対岸の火事ではなく一人ひとりが自分ごととして考える必要性に迫られています。

温暖化を止めることは、私たちの生活や文化、尊厳を守ることに直結しています。

一緒に、できることからはじめていきましょう!