すみかを失われた動物たち
2024年9月17日 環境問題のこと
私たちの生活に身近な食品や日用品の
多くに使われているパーム油。
輪ゴムやタイヤ、
長靴や靴底などに使われている天然ゴム。
建築や家具などに使われる木材や
紙製品のもとになるパルプ。
これらの多くは、熱帯雨林の森を切り開いた
農地開拓によって生産されています。
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大量生産を目的に単一の樹木を大量に植えた
プランテーション農園は
一見森のようにも見えますが
もともとの原生林とは全く違う
多様性の乏しい環境で
野生動物たちの生息には適していません。
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そのような農地開拓の結果
そこを棲家としていた野生動物たちが
行き場を失い絶滅の危機に瀕しています。
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特にスマトラ島の森林消失のスピードは非常に早く
スマトラオランウータンが住む森は
2007年にはすでに1985年の半分以下に減ってしまいました。
さらに今もなお、火災や開拓によって
失われ続けています。
現在絶滅危惧種として
レッドリストに掲載されている
スマトラオラウータンは
森の樹の上で生活する性質があります。
そんな彼らにとって
これ以上の森の消失は
致命傷にもなりかねません…。
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同じくスマトラ島やボルネオ島に生息する
ボルネオウンピョウも絶滅が危惧されています。
彼らの場合は毛皮にするための狩猟なども
個体数減少の原因の一つになっていますが
パーム油やゴム生産のための
農地開拓が樹上棲である彼らの棲家を脅かす
一因となっています。
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さらに、ボルネオ・ジャワ・バリの各島に生息する
バンテンも森林消失によって
棲家を奪われ絶滅の危機に瀕している野生動物の一種です。
現在その多くが自然保護区に生息しており
推定個体数は4,000〜8,000頭ほどとも言われています。
絶滅が危惧される原因は
密猟やパーム油生産のための大規模な農地開発です。
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このように私たちの生活に欠かせない身近な製品を作るために
多くの種の生存が危機に晒されているという現実があります。
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私たちにできることは決して多くはありませんが
WWFなどの自然保護団体へ寄付をすることや
持続可能な方法で生産された製品を選んで買うことで
彼らや他の絶滅危惧種たちを少しでも守ることにつながります。