Column

人新世とは

2025年2月21日 環境問題のこと

地球誕生から現在までの歴史を

化石や岩石から環境の変化を読み取って

地質学的に区分すると

私たちの今いる時代は

【新生代 第四期 完新世】となります。

完新世のはじまりは

約1万1700年前と定義されています。

その前の更新世は

4回の氷期と3回の間氷期があり

気候の変動が激しい時代だったのに対し

完新世は温暖で

多くの生物種が育まれた時代と言えます。

 

しかしノーベル化学賞を受賞した

パウル・クルッツェン博士が

2000年に行われた国際的な会議で

「完新世はすでに終わった

我々は人新世の中にいる」

と発言したことがきっかけで

「人新世」という概念が

注目を集めるようになりました。

人新世とは核実験や戦争、森林破壊など

人類の経済活動が地球の地質や生態系を

変えてしまった時代を表す言葉です。

もし人類が絶滅した後

新たな生命体が地球の地面を調べたら

恐竜やアンモニアなどの化石に混ざって

大量のマイクロプラスチックや

プルトニウム・ウラン・セシウムなどの核物質

農薬や殺虫剤などの残留性有機化合物

鉛や水銀などの重金属を見つけることになるでしょう。

人類の活動は、かつて地球の絶滅を

招いた隕石衝突や火山噴火に匹敵する

地質学的変化を地球に刻みこんでいます。

地球規模の異変が急速に進む今

私たちが進むべき道を

気づかせてくれるのが

人新世という概念なのかもしれません。