江戸時代の上下水道
2025年2月17日 環境問題のこと

現代のような水道インフラは
まだ整っていない江戸時代。
人々はどのように
生活用水を得ていたのでしょうか。
今回は、世界に誇る衛生都市の呼び声も高い
江戸時代の水道の仕組みから
江戸の人々の生活を
垣間見てみたいと思います。
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実は、江戸時代にも水道はありました。
1590 年に徳川家康が未開の地であった
江戸へ配置換えをされたことをきっかけに
試行錯誤の上で造られた江戸の街の水道は
人々の暮らしを豊かにし
その後の江戸の経済発展にもつながったと言われています。
とはいえ海が近い江戸の町では
井戸を掘っても海水が出てしまい
飲み水にできる生活用水を確保するのには
とても苦労したそうです。
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【江戸時代の水道とは?】
江戸時代の水道は
木や石でつくった樋を水道管とし
土地の高低を利用して水を流す方式でした。
家康の命令で家臣が
試行錯誤の上、近くの水源から水を引き
水路を作る方法を編み出したことで
水道の完成への道が切り開かれたと言われています。
その時に造られたのが江戸最古の上水
「小石川上水」です。
その後、より多くの地域に水を供給するため
発展・拡張したのが「神田上水」で
さらなる人口増加に伴って
玉川上水も造られました。
玉川上水が整備されたのは
3代目将軍 徳川家光の時代です。
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【どのように各家庭に水が供給されていたの?】
井戸を通じて水が供給されていました。
井戸というと湧水や地下水を
汲み上げるものを想像しますが
江戸時代の井戸は円筒状の構造物を
地中深くまで埋め
そこに水道管をつなげて
先ほどの水路から水を引いてくる仕組みでした。
つまり玉川上水などからひいてきたキレイな水が
木や石の水道管を伝って
大名から庶民に至るまで
各家へと供給されていたのです。
ただ、上水が得られない地域では
水道の水を売り歩く「水屋」から
水を買っていた人もいたそうです。
いずれにしても
江戸の街の人々にとって
水はとても貴重なものだったため
大切に使われていました。