牛のゲップと温室効果ガスの関係性
2024年12月4日 環境問題のこと
地球温暖化の原因の一つといわれる温室効果ガスには
二酸化炭素や一酸化二窒素、メタンなどがあります。
そのうちメタンは二酸化炭素の次に
温暖化に及ぼす影響が大きい温室効果ガスで
主に農業や畜産、廃棄物処理、燃料の燃焼
などが排出源となっています。
なかでも畜産による排出量は
メタンの総排出量の37%を占めています。
そしてその内訳は
家畜のゲップやおなら 28%
家畜の排せつ物管理 9%
となっています。
(参照:環境省 「2021年度温室効果ガス排出量について」)
牛は4つの胃を持っており
第一胃に共生する微生物が餌を分解発酵させています。
その発酵過程で副産物として水素を作りますが
牛の胃に生息するメタン古細菌が
この水素を使ってメタンを作り
牛はそれをゲップやおならとして放出しています。
このように牛の消化管内発酵によって
メタンが排出されていることは
地球温暖化への問題意識から
多くの人が知っている事実だと思いますが
だからといって決して牛が悪いわけではありません。
牛から出るメタンガスは
牛が生きるために必要なものです。
もともと牛などの草食動物は
草を食べ、土を踏み固め
多様な微生物が生息する肥沃な土地を
作ってくれていました。
そのような土地はメタンなどの
温室効果ガスを吸収し隔離してくれます。
しかし利益重視の
現在の工業型畜産では
家畜たちを狭い舎屋に閉じ込め
農薬や化学肥料で育った餌を与え
大量生産をしています。
そのような育て方では
もちろん健康な土壌は育ちません。
つまり悪いのは牛や家畜ではなく
彼らとの共生を選ばなかった
私たちの方なのです。
私たちの際限ない欲求の犠牲なっている動物であることを
忘れてはなりません。