蝶も減少している
2025年9月11日 環境問題のこと

蝶はミツバチと同じく 植物の受粉を助けるポリネーター。
生物多様性の維持に欠かせない存在です。
同時に自然環境の変化に敏感な生き物でもあるため
環境の変化をはかるバロメーターともいわれています。
そんな中、昨年発表された環境省の
「モニタリングサイト1000里地調査」において
2005~2022年度の全国約200か所の
調査サイトから得たデータに基づき
日本の里山で蝶などの身近な生物の多くが
減少傾向にあることが報告されました。
それによると身近な蝶の33%が急速に減少しており
この傾向が種全体にあてはまる場合
レッドリストの判定基準の一つを満たしうる数値に
相当するともいわれています。
具体的には、ミヤマカラスアゲハ
オオムラサキ、イチモンジセセリなど
34種の蝶が該当しているのですが
これらは、決して珍しい蝶ではなく
これまでは普通にいると思われていた蝶が
ほとんどを占めています。
このような蝶の急速な減少には
︎気候変動
︎森林伐採や宅地開発、農地拡大による生息地の減少
︎農薬の使用
︎里山環境の放棄
などの人間活動が大きく影響しているといわれています。
蝶の減少を防ぐために私たちにできることは
里山の環境保全に取り組む団体を支援したり
ボランティア活動に参加したりすることです。
また、都会でもベランダや庭に
在来種の花を植えることで
蝶の生息環境を改善するができます。
また、蝶の幼虫が食べる食草を植えることでも
同様の効果が期待できます。
たとえば都会でもよく見かけるカタバミという雑草は
ヤマトシジミの幼虫が好んで食べる食草です。
カタバミは繁殖力が強く
知らない間に生えていることも多い雑草なので
厄介者として駆除されてしまいがちですが
蝶の幼虫にとっては
生きるために欠かせないご馳走でもあるんですね。