COP30を紐解こう!
2026年2月24日 環境問題のこと

2025年11月、ブラジル・ベレンで開幕した
国連の気候変動枠組条約会議「COP30」は
交渉が長引いた結果
会期を1日延長して幕を閉じました。
今回のCOPは、世界第2位の温室効果ガス排出国である
アメリカが政府代表団を派遣しなかったこと
開催都市「ベレン」がアマゾン熱帯雨林の玄関口に位置すること
パリ協定から10年の節目であることなど
いろんな意味で注目の集まるCOPでした。
ベレンでの開催であることから
森林保全や先住民族の権利にも大きな期待が集まりました。
実際、先住民族の参加規模は過去最大級となり
アマゾン保護を求める声が会場各所で上がる様子が報道されました。
一方で、最終合意では化石燃料の“段階的廃止”は明記されず
森林破壊の防止策も各国の自主的な取り組み中心の表現にとどまり
強制力ある義務化には至りませんでした。
こうした交渉結果については一定の前進は確認されるものの
気候危機の対策としては不十分だという評価も多く見られました。
今回は、こうした背景を踏まえながら
COP30の主だった論点の結果を振り返ってみたいと思います。
【1.5℃目標のための排出削減について】
COP30では、1.5℃目標が
「科学的には達成可能である一方
極めて厳しい局面にある」という
国際的に共有された科学的認識を踏まえつつ
この目標を維持する方針が再確認されました。
その上で、各国に対し
2030年までの排出削減のさらなる強化や
2035年に向けた排出削減目標の
引き上げが促されましたが
世界全体として必要な排出削減量の
具体的な数値についての合意には至らず
最終的には努力の加速を呼びかける表現にとどまりました。
【「化石燃料の段階的廃止」について】
議論の焦点となった化石燃料の扱いについて
最終合意では「段階的廃止」という
明確な表現は盛り込まれず
COP28で合意された「化石燃料からの脱却の加速」を
再確認する内容にとどまりました。
代わりに再生可能エネルギーの拡大や
エネルギー効率2倍化の目標は盛り込まれ
より幅のある表現になりました。
【 途上国への「適応資金」について】
途上国への気候変動対策の支援では
適応のための資金を2035年までに「少なくとも3倍」に
増やすという目標が示されました。
ただし、「誰が・いつまでに・いくら拠出するのか」
については決まっていません。
そのため、実際に必要とされている金額に対して
不十分な状況が続いています。
一方で、長年議論されていた
適応の進捗を測るための共通指標(「ベレン指標」)が
合意されたことは前向きな動きとして捉えられています。
今後は、この指標を実際の支援や
お金の配分につなげられるかが重要になります。